オーストラリア出身のアルフレッド・アドラーが提唱した「アドラー心理学」。
「トラウマは存在しない」というような一般的な認識と違った説を提唱していていると聞いて、ぼくも興味をもっていた。
アドラー心理学について書かれている本では「嫌われる勇気」が日本だと、自己啓発本として人気。
ぼくは今ニートになってしまったから、”ちょっと閉塞感がある今の状況を、変えたいな”と思って、「嫌われる勇気」を見てみることにした。
正直なところ、今のぼくは組織に所属して、働くことに関しては、あまり意欲は高くない。
そして、働く意欲が高くないことが、リストラで退職をしてから、一ヶ月経過しても、再就職をしていない理由のひとつなのは、間違いない。
「嫌われる勇気」を読んだところ、ニートになる心理的な原因が、記載されていたから、感想を書いておく。
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アドラーがいう人生の課題(タスク)とは?
アドラー心理学では、人間の行動面と心理面のあり方について、はっきりと目標を掲げている。
行動面の目標
・自立すること
・社会と調和して暮らせること
この行動面を支える心理面の目標
・わたしには能力がある、という意識
・人々はわたしの仲間である、という意識
これらの目標は「人生のタスク」と向き合うことで達成できる。
人の一生を追ってみると、親の保護下で生活しているところから、精神的にも社会的にも自立する必要がある。
また、成長すると交友関係をもつことや、恋愛関係から結婚までつながる可能性だってある。
アドラーは、これらの過程で生まれる対人関係を「仕事のタスク」「交友のタスク」「愛のタスク」の3つに分けて、まとめて「人生のタスク」と呼んだ。
このうち「仕事のタスク」は、距離と深さという点で考えると、仕事の対人関係はもっともハードルが低い。
仕事はひとりで完結するものはなく、どんな仕事でも、他の人の協力がなければ成立しない。
しかし、仕事の対人関係は、成果というわかりやすい共通の目標があるので、少しくらい気が合わなくても協力できる。裏をかえせば、仕事から解放されれば、苦手な人間とは他人の関係に戻れる。
そして、「仕事のタスク」の段階の対人関係でつまずいてしまたのが、ニートやひきこもり。
本人が自覚していない可能性があるが、ニートになる人たちが労働を拒否している原因の核にあるは、対人関係。「無能な人間だ」と評価され、尊厳を傷つけられるのを嫌がっているから、働かない。
…アドラーさん、耳が痛いです。
ぼくも対人関係で自尊心を傷つけられるのを気にしてしまって、行動できずにいる面もある。
勇気をもって、行動をしてみることが必要だと思い知らされた。
なお、アドラーは人間関係について、こういう風にも述べている。
全ての悩みは対人関係である
アドラーは「全ての悩みは対人関係である」と言っている。
”そんなわけあるかい!”って考えたんだけど、「嫌われる勇気」を読んで、例えば宇宙に人類が自分ひとりしかいなかったらと考えると、理解することができた。
人類が自分ひとりなら、イケメンだとか不細工だとか、年収が高いか低いだとか、学歴がどうだとかを考えるとかいうこともない。
さらに言えば、孤独という概念さえなく、遠くの誰かを感じることもない。
もちろん、人類に自分一人しかいなければ、仕事をしていても出世競争は無関係になるし、他の人との顔色を伺う必要がなくなる。
「全ての悩みは人間関係である」という考えは、人と競争するのではなく、自分が前に進んでいくことが大事なんだということを気づかせてくれた。
「嫌われる勇気」には、今までのぼくの考え方にはなかった思想がかなり詰まっていた。
難しいイメージがあったアドラー心理学だけれど、対話方式でとっつきやすくなっていた。
ここに書いたのは、ほんの一部。
困ったときに読むと、指針になると言っても過言ではない本なので、定期的に「嫌われる勇気」を読み直してみるつもり。