残念ながら勤務先の会社が経営不振のため、規模縮小をすることになった。
そして、人員削減のためにぼくが解雇される運びになった。
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解雇通知をされたのは、3/8(金)。
経営に直接関わるくらいのレベルの上司(以下Aさん)に、「昼飯に行かないか?」と言われたのが事の始まり。
今までにも何回かAさんとは、食事に行っている。
ただ、最近Aさんは仕事が忙しくて、昼休憩をしっかりととれていないことを知っていた。
”経営状態が悪いから、ひょっとしたら、解雇の話かも知れない…。”と解雇のことが脳裏をよぎったけれど、”急すぎるから、それはないか”と考え直した。
むしろ呑気に”会社で気になることがあるから、話を聞いてもらえるチャンスだ"とさえ思っていた。
昼飯はなんと焼き肉をごちそうしてくださった。
ごちそうしてもらう金額だけが全てじゃないけれど、焼き肉が好きなぼくにとってはめっちゃ嬉しいこと。
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焼き肉を食べているときにAさんから「北条君は楽しいことはあるか?」と聞かれたので、休みの日の過ごし方なんかを答えた。
Aさんは、絞り出すように言った。
「俺は楽しいことが何もない」と。
ぼくにはAさんが、ちょっと精神的にも消耗しているように見えた。
その後は何気ない日常会話。
仕事の話をするような雰囲気でもなかったので、Aさんとの日常会話を楽しんだ。
焼き肉を楽しんだ後、会社へ向かう帰り道の途中でAさんは重い口を開いた。
・会社の経営が悪くて事業縮小をしなくてはいけないこと
・事業縮小の責任をとって、Aさんは会社を辞めること
・半分くらいの従業員を解雇しないと経営的には難しく、ぼくは解雇される方に選ばれたこと
重要な話がポンポンと出てきて、何を言われているのか、すぐにはわからなかった。
しばらく経って”ああ、ぼくはもう今の会社で働けないんだな。転職しないといけないんだな”という実感がわいてきた。
でも、解雇通知をしてもAさんに怒りの感情は不思議なほどなかった。
食事を一緒にしたからというわけじゃない。
会社の経営状態の責任を背負っているAさん苦労はなんとなくわかる
ぼくも小遣い程度だけれども、副業で自分で金を稼いでみて、自力で金を稼ぐことの大変さを痛感した。
判断を誤れば、最悪収益がなくなる。
ぼくの副業は趣味程度だから、プレッシャーを感じなかったけれど、経営の責任を背負って働くのは想像を絶するほどのプレッシャーがかかるだろう。
収益が上がらない、周りの人間が思い通りに動かない。
焼き肉を食べているときに「楽しいことがない」と言っていたのも、会社経営からのストレスが原因だろう…。
従業員に解雇に告げることだけを考えても、どんな風に伝えればいいのか相当考えるはずだ。
Aさんに解雇通告のフォローでかけてもらった言葉
・北条君を今の状態でこの会社に、いさせるのは申し訳ない
・長い間働いてくれて、助かった。北条君には、会社の会議室で簡潔に伝えるんじゃなくて、時間をかけてしっかりと伝えたかった。
上記の2点の言葉はかけてもらえて、嬉しかった。
転職など次のステップに進むあたって、前向きになれた。
正直なところ、会社に不満がないわけではなかったけれど、ちょっと”この会社で働いてよかった”と思えた。
なかなかここまで言える人はいないと思う。
これから先、Aさんとぼくの人生がどうなるかは、誰にもわからない。
でも、おこがましいながらも、Aさんが「人生が楽しい」と言えるようになることを願っている。